瑕疵担保保証

住宅の性能に著しい問題や、生活に支障をきたす重大な欠陥が生じるトラブルが多く発生していることから、住宅に関するトラブルを未然に防ぎ、万一のトラブルの際も消費者保護の立場から紛争を速やかに処理できるよう『住宅品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)』が、平成12年4月に施行されてました。これによって、瑕疵担保責任が義務づけられました。瑕疵担保責任とは、売買の対象物に隠れた瑕疵(=外部から容易に発見できない欠陥)がある場合、売主が買主に対してその責任を負うことです。工務店やハウスメーカーなどの施工会社は、新築住宅を引き渡した時から10年間、雨漏りや基本構造部分に問題が発生した場合には無償で修復を行わなくてはなりません。 ただし、保証の対象はあくまでも「雨漏りと基本構造部分」です。基本構造部のゆがみなどが原因ではない、壁や天井のクロスの剥がれなどの内装部分や 外観部分、設備などはこの法律に基づいての修復を求めることはできません。 なお、この保証を受けるための費用は掛かりませんが、万一に施工会社が倒産した場合などは保証が受けられなくなります。また、中古住宅として売却する場合は、保証は継続されません。法律で義務付けられた瑕疵担保責任の制度だけでは消費者保護としては不十分であり、施工会社の財務状況によっては、義務化された責任が果たせない場合もあることから、2009年10月以降に引き渡される住宅には、履行するための「資力確保」が義務付けられました。 資力確保の手段は、供託と住宅瑕疵担保責任保険の2種類あります。


瑕疵担保責任の基礎

売買の目的物に瑕疵(その物が当然有すべき性質を有しないこと、取引上普通に要求される品質が欠けていることなど、不完全な状態)があり、それが取引要求される通常の注意をしても気づかぬものであるときは、1年以内ならば買主は契約の解除をなし、損害賠償の請求ができます(民法570条、566条)。これを売主の瑕疵担保責任といいます。売買の目的である財産権に欠点がある場合に認められる売主の担保責任です。たとえば、買い取った家屋の大黒柱が、ちょっと見てはわからないがシロアリに食われて中が空になっていたというような場合です。